灯台のイラスト
島国日本では海の道標が欠かせなかった
建物イラスト素材集にある灯台のイラストです。
灯台は、島国である日本には欠かせないものでした。
古代から海上交通や漁業が盛んだったとされている日本では、海の道標としての「篝火(かがりび)」や「灯明台」や「常夜燈」は重要な存在だったのです。
日本でいちばん灯台の多いところは長崎県だそうです。
長崎県は、日本でもっとも海岸線が長いところです。
海岸線が複雑に入り組んでいて、島が多いためにたくさんの灯台が必要とされていました。
長崎港では、安土桃山時代から江戸時代にかけて、ポルトガルやオランダとの海上交易が盛んに行われていました。
こういう歴史的な背景も、長崎県に灯台が多い理由になっているのではないでしょうか。
灯台の役割がGPSに取って代わられる
灯台は、岬の先端や港内に設置されています。
海を通る船舶の目標として、灯台の役割は重大でした。
船乗りの心に安らぎをもたらす役割もありました。
船舶が安全に効率良く航行するために、船の操縦者に現在の位置を確認させることが、灯台の主な役割でした。
それが現在ではGPSに取って代わられようとしています。
GPSを使えば、船の位置を正確に知ることができるからです。
灯台は滅びゆく存在か?
だからといって灯台がまるっきり不要というわけではないでしょう。
私の素人考えですが、現代でも灯台の光から、安心感を得ている漁業者や船乗りは少なくないのでと思います。
日本では、老朽化した灯台は次々と取り壊されているようです。
古い時代に建造された灯台は、耐震対策がなされておらず、倒壊の危険が高まっているというのも取り壊しの理由になっているようです。
技術の飛躍的進歩にともない、旧態依然とした灯台はその役割を終えたと言われています。
島国日本の象徴だった灯台が、滅びゆく存在になりつつあるのです。
灯台は島国文化の象徴
日本は島国であったことから、長期に渡って外敵からの侵入を受けずに済んだとされています。
それゆえに、異国の文化を日本独自のスタイルで発展させることも出来たのです。
そんな島国日本の象徴を、役に立たなくなったから取り壊してしまおうなんて・・・
そんな合理性だけを重んじる精神文化の輸入にも、灯台が一役買っていたとは皮肉なものです。
灯台が観光の対象に
けれども灯台は、その持っている独特の雰囲気から、観光の対象にもなっています。
観光の名所になっている主なものには、宗谷岬灯台、塩屋崎灯台、犬吠埼灯台、足摺岬灯台など、他多々あります。
灯台の孤独で煌々とした存在感が、人々の気持ちを引きつけるのでしょう。
歌(演歌)の題材になっている灯台も多数あります。
島国日本の旅情を豊かにするものとして、灯台の果たしている役割は大きいのです。
安全や安心のイメージ
GPSには取って代わられても、灯台のある岬の風景までは奪えません。
暗闇を照らし続けている灯台の、安全や安心につながる風景のイメージを代替(だいたい)できるものはないでしょう。
そんな古き良き時代の、灯台のイラストです。