白黒のピエロのイラスト
架空の世界の住人
ピエロイラスト素材集のページにある「白黒ピエロ」のイラストです。
ピエロの多くは、カラフルな出立ちが多いようです。
上のイラストのようなモノクロームのピエロは、あまり見かけません。
にぎやかな色彩とユーモラスな仕草がピエロの持味です。
色とりどりの衣装とか化粧とかは、ピエロの世界独特のものです。
カラフルな化粧には、ピエロ特有の非日常感がただよっています。
架空の世界に住むものの存在感のような。
架空世界との衣装遊び
カラフルピエロの対比としての白黒ピエロは、さらに非日常的です。
そもそもピエロは、非日常的な存在でした。
コスプレが日常性を獲得しつつあるような現在では、ピエロも日常を彩るデザインになりつつあるようにも思われます。
ピエロやコスプレの架空世界が、日常世界へ流入していると言ったら大げさでしょうか。
コスプレとは、架空世界との衣装遊びです。
架空世界の衣装を自身の肌にまとうことによって、架空世界を身につける。
あるいは身につけたと錯覚する。
それが架空世界との衣装遊びです。
日常は色彩を求める
かつて架空世界の出立ちだったものが、コスプレとして日常化する。
もちろん彼らはピエロではありません。
ただ架空世界から日常世界に姿を現したという点においては、同郷者であるかもしれません。
コスプレと同郷者のカラフルなピエロ。
そのピエロの対比としての白黒ピエロは、まだ非日常世界にとどまっています。
日常が色彩を求めている以上、白黒ピエロに日常の居場所はありません。
日常は色彩を求める。
なぜなら、経済社会に支えられている日常は、消費活動への意欲を活発にする色彩にも支えられているからであります。
日常に埋没しがち
昔、よくピエロの絵を描いていた漫画家がいました。
カラーのものもたくさんあったようですが、私の印象では白黒のピエロの記憶が強く残っています。
その漫画家の漫画に登場したピエロが白黒だったからでしょう。
漫画雑誌「ガロ」に掲載された彼の漫画には、ヒッピーやフーテンものが多かったような気がします。
ヒッピーやフーテンは、日常を脱出しようとしていながらも日常に埋没しがちだったという点において現代のコスプレに似ています。
そして、コスプレとカラフルなピエロは同郷者なのです。
そうなんです、もともと非日常から日常へ流入してきた者たちなんです。
日常に呑み込まれないわけがないじゃありませんか。
架空世界の白黒ピエロ
日常を脱出するなんて、無理なことさ。
と架空世界にとどまっている白黒ピエロが言っています。
ピエロという職業と、ピエロというイメージと、ピエロと言う架空の精神を混同してしまったような。
そんな白黒ピエロのイラストです。