足元注意・転倒危険のピクトグラム
工事現場での転倒事故
Be careful to steps.
工事現場イラスト素材集にあるピクトグラム素材の「足元注意・転倒危険のピクトグラム」です。
建築資材をかついだ作業員が、通路に放置された物体につまずいて転びそうになっている様子を表したピクトグラムです。
このまま転んだら、かついだ資材が跳ね返って作業員が重いケガを負うおそれがあります。
転倒による労働災害は、約5割が「滑り」によるもの、約3割が「つまずき」によるものとされています。
「つまずき」によるもののうち約7割が、通路上の障害物が原因で発生しているとのことです。『労働災害防止のためのポイント ( 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署 )より』
整理整頓
このピクトグラムは、足元に注意することや、「つまずき」の危険性を訴えているとともに、工事現場の整理整頓についても訴えているのです。
建設現場の整理整頓を徹底すれば、転倒事故が減少します。
建設工事のばあい、作業現場はとかく乱雑になりがちです。
乱雑におかれた資材が、作業員の移動のじゃまになったりします。
乱雑に積まれた資材が、何かのきっかけで崩れたり。
建設工事現場で整理整頓がなされていないと、それが労働災害の発生原因になることも考えられます。
それに重機や作業員の移動がスムーズにできないので、作業効率も悪くなります。
看板で危険に対する注意力を喚起
工事現場での建設作業員(現場労働者)の安全確保は、作業員自身の安全意識だけではなく、作業環境の安全整備も大切です。
危険な箇所を点検したり、危険につながる要素を取り除いたりして、作業環境を整えなければなりません。
個々の作業員の安全意識には差があり、注意力にも限界があります。
工事現場では、わかりやすい看板で危険に対する注意力を喚起し続けなければなりません。
工事現場の適所に、安全イラストや安全ピクトグラムサインを掲げて、工事担当会社全体で作業環境の安全確保に努めるのも労働災害を防ぐのに有効です。
なお、労働災害は作業員の安全意識の欠如だけが原因ではありません。
工事を請け負い、運営する企業体の無理な工事計画が原因になっていることも少なくないことでしょう。
視覚に訴えるピクトグラム
企業体が利益追求を最優先にしている間は、労働災害はなくなりません。
作業員の処理能力を越えた企業経営陣の無理な要求が、労働災害を引き起こしている一因です。
そんななかでも、労働災害を減少させなければなりません。
ピクトグラムは、視覚に訴えます。
転倒危険のピクトグラム見る者は、危険のイメージを肌で感じることができます。
工事現場に掲げられた安全ピクトグラムから、起こりうる危険を予測することもできます。
イラストから受け取るイメージは、文字からよりもずっと直接的だからです。
脳裏に画像として焼き付いた危険のイメージが、作業員を危険から遠ざけます。
運営する企業体も含めて、工事に従事するすべての者が、労働現場の環境を整えようとする意識を高めれば、労働災害の減少が少しずつ実現していくことでしょう。
その一端を担っていると思える「足元注意・転倒危険のピクトグラム」です。